姫路のまちなかから少し離れた、林田の町。
静かな道を歩いていると、長い塀と立派な長屋門を構えた、大きな屋敷が現れます。
「林田大庄屋旧三木家住宅」。

門をくぐると、その向こうに広がるのは、江戸時代の暮らしをそのまま包み込んだような空間。
三木家は、江戸時代を通じて林田藩の「大庄屋」を務めた家。
大庄屋とは、いくつもの村の庄屋をまとめる立場で、地域を支える重要な役目を担っていました。

主屋が建てられたのは、江戸時代の初めと考えられています。
古い民家の面影を残す間取り。低く伸びる軒。かつては茅で葺かれていた大きな屋根。
太い柱や梁、建具、畳の間に、長い年月を過ごしてきた家の力強さを感じます。

主屋のほかにも、長屋門や長屋、米蔵、内蔵、新蔵が残り、大庄屋の屋敷だったころの姿を今に伝えています。
三木家の屋敷はもともと、ここから少し北にあった林田藩陣屋の門前にあったそう。
古文書によれば、三代・定久の時代、寛永20年(1643)に現在の場所へ移されたとされています。

それから、三百年以上。
ここを訪れると、昔の家の中へそっと入り込んだような気持ちになります。
兵庫県内でも、年代を推定できる大庄屋建築として最古とされる三木家住宅。
これほど古い時代の大庄屋屋敷が残ること自体、全国的にも珍しいといいます。
今も江戸の時間がゆっくりと流れているようです。
:兵庫県姫路市林田町中構74
:079-261-2338(三木家公開日のみ対応)
:10:00~16:00、金・土・日・月・祝公開
:有り
:https://npo-shinpoohayashida.net/
※情報は取材時点のものです。

