室津の細い通りを歩いていると、静かな町並みに溶け込むように、重厚な格子戸の建物が現れます。「たつの市立室津海駅館」です。
海沿いに建つこの建物は、長い年月を重ねた木の色や、低く伸びる軒、端正に並ぶ格子から、かつての港町の賑わいが、そっと伝わってくるようです。

この建物は、近世から近代にかけて廻船問屋として栄えた豪商「嶋屋」の遺構。江戸時代後期に建てられ、明治6年に一部が増築されました。
切妻平入り、本瓦葺きの二階建てで、室津を代表する大規模な町家の姿を今に残しています。
中へ入ると、外観から想像する以上に奥行きがあり、落ち着いた座敷や繊細な意匠に目を奪われます。

館内で紹介されているのは、「廻船」「参勤交代」「江戸参府」「朝鮮通信使」という四つの物語。
室津は、ただ船が立ち寄る港ではなく、人や文化、さまざまな知らせが行き交う“海の宿駅”でした。
「この格子の向こうに、どんな景色があったんだろう」
「遠い土地から来た人も、ここでひと息ついたのかな」
そんな会話を交わしながら歩くと、展示品だけでなく、柱の傷や畳の間を抜ける風までもが、室津の記憶を語ってくれる気がします。

歴史を学ぶ場所でありながら、昔の暮らしを身近に想像できる場所。海駅館は、港町・室津が重ねてきた時間を、建物そのもので感じられる一軒です。


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/:079-324-0595
/9時30分~17時(入館は16時30分まで)、休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)、祝日の翌日(土曜日・日曜日・祝日を除く)、毎月月末、特別展等の前後(展示入替期間)、年末年始
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/https://www.city.tatsuno.lg.jp/soshiki/1041/gyomu/1/1478.html
※情報は取材時点のものです。

