高砂の古い町並みを歩いていると、ふと目に入る、なんとも味わいのある建物。
正面から見ると、少しくすんだモルタルの壁に連なる木枠の窓。
横へ回り込むと、木造の壁やレンガ、そして空へ伸びる煙突が姿を見せます。
ひとつの建物の中に、長い年月の跡が重なっているようです。
ここは、今も営業を続ける銭湯「梅ヶ枝湯」。

創業は昭和18年(1943年)。戦前です。かつて高砂には他にも数軒の銭湯がありましたが、現在まで営業を続けているのは梅ヶ枝湯だけ。
そして今もかわらず、薪を使ってお湯を沸かしています。
レンガの煙突からのぼる煙。便利な設備へ置き換えるのではなく、薪を焚き、湯を沸かし、人を迎える。そんな昔ながらの日常が、この建物の中では今も続いています。

正面のモルタル造り、奥に残るレンガの部分、木造の壁。きれいに時代を揃えて保存された建物とは少し違います。
使いながら手を加え、必要なものを足しながら、今日まで残ってきた。その不揃いさにこそ、梅ヶ枝湯らしい味わいがあります。
それはまるでハウルの動く城。
古い町の風景が少しずつ姿を変えていく中で、ここでは今日も煙突から煙が上がり、いつものように湯が沸いている。
昭和の銭湯文化に出会える場所。
梅ヶ枝湯
:兵庫県高砂市高砂町次郎助町1593
:079-442-0985
:15:30〜22:00、木曜日定休
※店舗情報は取材時点のものです。

