田畑の広がる三木市の里山を進んでいくと、長い年月をまとった一軒の日本家屋が姿を現します。
「ころは―うつわと道具と喫茶室―」が店を構えるのは、築百五十年を超えるといわれる古民家。
ずっと前からこの地に立ち、家族の暮らしや移りゆく季節を見つめてきた建物です。
今はその空間を生かし、作家のうつわや暮らしの道具を紹介する店と、静かに過ごせる喫茶室が営まれています。

大きな屋根の下には、太い柱や梁、使い込まれた建具が残されています。玄関から続く土間には、かつて人が出入りし、道具を運び、家の仕事をしていたころの気配が、まだ漂っているよう。

玄関を入ると、まず迎えてくれるのは昔ながらの土間、その先には和室。そこに陶器や木工、ガラスなど、作り手の手から生まれた品々が静かに並びます。
落ち着いた色の畳や木の柱を背景にすると、一つひとつの器にも、不思議と深い表情が生まれます。

新しく作られた器と、百年以上前からそこにある家。
生まれた時代は違っていても、人の手で作られ、誰かの暮らしのなかで使われていくという点では、どこか似ているのかもしれません。
喫茶室で過ごす時間も、この家を味わう楽しみの一つです。
古い木に囲まれて腰を下ろし、器に触れ、窓の向こうを眺める。時計を見れば、それほど長い時間ではないはずなのに、町なかの店とは少し違う、ゆっくりとした時間の流れ。
「ころは」に並ぶうつわや道具も、この建物と同じように、人の手によって生まれ、使われながら時を重ねていく。
これから長く使いたい一枚の器を選ぶ。これもまた愛おしい時間。
2026/8/22(土)~9/6(日)、ころはさんで器の展示イベントが開催されます。
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